女神

死ー両親との別離

<2011-05-25>

日曜の朝、母は教会へ行く。

敬虔なカトリックの家庭に生まれ育った彼女。

子育てや仕事に追われた時代は教会から離れていたけど、
70を過ぎた辺りから、またミサに通うようになっていた。

今回の診断を受けて、母が最初に言ったのは、
「教会に行きたい」ということ。

このまま入院、手術になったら当分行けないだろうから、
その手術を延期してでも「教会に行きたかー」と言っていた。

幸い、セカンドオピニオンを受けてからの治療となったので、
時間ができた。

教会で目にしたマリアの絵。
母と私の分、2枚を買ってふたりでシェアした。

お母さんは、病院に持っていくね、と言ってくれた。
私も祭壇に飾り、毎日お祈りするね、と言った。

このマリアの絵。

その柔らかいラインや、にじんだ色合いに心が惹かれた。
おとなしく優しい絵だな、と。

そして、私は家に戻り、自分の祭壇を眺めた。

あぁ。

私のいちばん好きなガンガの女神の絵と、
このマリア、まったく同じフォルム。

女神とは、しなやかで優しく、
そして強さを秘めた存在なんだ。

この日、お母さんは、おばあちゃんの形見のロザリオを出し、
私に見せてくれた。

私たちがジャパ瞑想で使うマーラビーズと同じもの。

唱える祈りは忘れちゃった、って笑ってたけど、
好きな祈りを見つけて、ロザリオをくくりなね、って
言ってきた。

母は、自らスピリチュアルな方向へ、
意識を向けているような気がする。

いや、戻って行ってる、そんな気がする。

私はそれと一緒にいこうと思う。

この日、いつもより華やかな花を飾りたくなり、
シャクヤクを買って帰った。

続く↓↓↓

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