手術、成功

死ー両親との別離

<2011-06-09>

母の手術が終わりました。
無事、子宮や一部の転移臓器を摘出でき、
今は何よりほっとしてる。

というのも、母の場合は、腫瘍からの出血が多く、
その出血が腹部で起こると即、命に関わる、と言われたものだから。

しかもそれが明日起こってもおかしくない、と言われたものだから。
私たちも、一刻も早く手術だ、と決意できたんだ。

でも、さらにお医者さんは、

「とはいえ、かなり進行してるので、周りの臓器への浸潤の状況で、
 開腹してみないと、摘出できるかどうかもわからない」

なんて、言うもんだから・・・。

手術が終わるまでは、本当に、しんどかったなぁ。

しかも、兄と私は、その悪い可能性を母に伝えてなくて、
なのに前日の手術説明で、担当医が全部ご丁寧に伝えてしまった。

その説明に同席してくれた義姉から、その話を聞き、私も軽く凹む。

まぁ、当たり前の話なんだろう。
そういうリスクを患者にきちんと説明してから執刀するべきなんだよね。

あぁ~、どうせお母さんが知ることになるなら、
事前に私から伝えておけばよかった。

担当医の説明を聞いて、お母さんはかなりショックを受けたみたいで。

それまでは、麻酔の効きばかりを心配してたんだけど、
説明を受けた後は、最悪の場合、という現実を突きつけられて、
かなり凹んでたらしい。

夜、電話で話した、
明らかに声が沈んでる・・・。

まず、私たちから伝えなかったことを謝る。

そして、母の今の思いをひと通り聞いた。
不安がお母さんを潰しそうになってる。

「ねぇお母さん、深呼吸してる?」

私はカラっと聞いてみた。
そしたら、

「あぁ、そうだったね。うん。」
と言って、電話口で、すぅぅ~、ふぅぅ・・・って深呼吸をしてくれた。

病気がわかってすぐに教えた、いちばん簡単な呼吸法。

不安に押しつぶされそうなとき。
寝付けないとき。
なんとなくイライラしたとき。

どんなときでも、思い出したら深呼吸ね。
そして、その息の出入りに、心を集中させてごらん。
なんとなく、落ち着いてくるから。

って、教えてみた。

数日後、お母さんに「ねぇ深呼吸してどおだった?」って聞いたら、

「あー、いっちょんわからんねー」って笑って言ってたけど、

「でも、晴美が言うたこつば何度も思い出すから、
 そんときは、してみとっよ」って。

エライなー。お母さんのこういう素直なところ、私は本当に好きだ。

最悪のことばかりを想像してしまうのは、当たり前のこと。
それを、ポジティブになれ、いいほうに考えろ、って、
言うのは簡単だけど、そうそうできるもんじゃない、でしょ。

だから、不安なままでいいよ、しかたないよ、
でもね、深呼吸を忘れずにね、

その呼吸に心を集中させていくと、いろんな想像が少し和らぐかもよ、

呼吸ってさー、命のエネルギーそのものなんだよね、
だから、そうやって丁寧に呼吸をすることで、
命の力がぐっと強くなってくんだよ、

なんてことを、ツラツラと話したような気がする。

母は、そんな話にも素直に耳を傾けてくれて、「本当にそうかもね」
って言ってくれた。

睡眠薬を飲んで寝るわ、って言う母。

「夜中に怖くなったら、何時でもいいから電話するんだよ」って、
言っておいた。

でも、電話はなかった。
翌日聞いたら、よく眠れたようだ。

手術当日、見舞いは父と私のふたり。

なんとか母の気を紛らわそうと、会話を別の方向へ向けるけど、
全然、盛り上がらない。

ううう。

こういうときは、抗わず、そのままでいるしかないな、って気分。
無理に笑う必要もなく、無理に繕う必要もないのかもしれない。

そして、いよいよ、時間となり母は手術室へ。

泣くまいと思ってた私。
でもね、あっけなく、泣いちゃった。
お母さんも、泣いてた。

どんな気分だろうね。

はぁ、イヤなもんだ。
あの銀色のでかい扉が、ウィーンって閉まっていく感じ、
本当にいやだねー。

閉まった扉を前に、私はただただ成功を祈ってた。

そして、無事、手術が完了。
心配してた最悪の事態にもならず、きれいに摘出できたらしい。

担当医は、今後のことは病理解剖の後で、とだけ説明して、
出て行っちゃった。

さぁ、これからがいよいよ癌の治療に入っていくんだな、と
ぼんやりと考える。ここから、代替療法の可能性を探れる。

でもね、正直、そろそろ、くったくただ。
私の内側、ぐちゃ、ってなってる。

でも、反面、すごく冷静な自分もいる。

ふと思った、この感じ震災の直後と似てる。

あまりに強烈な出来事を体験すると、感覚が麻痺しちゃうのかなぁ。

そして思う。
病気の家族を見守るとき、人は自然と、自分を置き去りにしてしまう
んじゃないか、って。

自分を大切にしないと。
自分をケアしてあげないと、人に寄り添うことはできない。

そう思う。

だから、私は、自分もケアするよ。
疲れてる私を、そのまんま受けとめてね。

疲れきってる私に、カズが夕飯を作ってくれる。
そんなサポートが心に染みる。

ホントにありがとう。

母へのお見舞い、そしてうちにも。
元気が出そうだわ。

Om Shanti.

続く↓↓↓

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