緩和ケア病棟へ

死ー両親との別離

<2011-12-30>

入院から1週間目に、緩和ケア病棟へ移転した。

手術からお世話になっているこの病院。

抗がん剤を拒否したことで、一時は離れることになったが、
定期健診というスタンスで関わりを続け、
緊急の場合はすぐに対応します、という約束をいただき、

実際、救急車で運ばれた18日から、
本当に手厚く、皆さん暖かく、私たちの意向を尊重しながら、
関わってくれている。

入院から3日目だったか。

主治医の先生に呼ばれ、小さな会議室に入っていき、
そこではじめて「余命」を宣告された。

このままでは、もってひと月でしょう、と。

たぶん私、きょとんとした顔をしてたと思う。
ひとつ静かに深呼吸をしてみたけど、実感がわかない。

そのとき
「実は病院内に、入院患者さんのみを受け入れる
 緩和ケア病棟があるんですが」

という話をしてくれた。

「緩和ケア病棟?
 それは、つまり、ホスピスという意味ですか?」

母は以前から、最期はホスピスに入りたい、と言ってたんだ。

聖路加病院の日野原先生のお話を、どこかで読んだらしい。
カトリック系のホスピスを探さないと、と思っていた矢先、
先生からこんな提案。

その後、実際に病棟を見学に行った。

同じ建物の最上階にある緩和ケア病棟は、
階下の病院の入院病棟とは、まったく違う空気が流れてた。

受付には大きなクリスマスツリー。電子的な装置の音はまったくなく、
クラッシクやクリスマスソングが流れてる。

全体的に落ち着いたトーンの内装。
白とブラウンで統一されて広々とした空間。

案内してくれた看護師さんについて奥の部屋へいくと、
中から笑い声が聞こえてきた。
覗いてみると、白髭のサンタクロースとたくさんのトナカイたち。

患者さんやご家族と過ごすクリスマスパーティが、
ちょうど終わったところだったらしい。

医師や看護師さんがみんなゆるく、明るい表情をしていることが印象的で、
私は、この病棟が気に入った。

そして後日、母を交えての医師との面談を行い、
26日、無事に移転することができた。

母はこの面談で、緩和ケアの方針に同意し、自分の口ではっきりと、
「延命はしないでください」と言い切った。

車椅子に座るのさえきついのに、
咳き込みながらも、力強く受け答えるお母さんの姿に、
私は、涙を我慢することができなかった。

Om Shanti.

続く↓↓↓

提供 サービス

▼ オンラインセッションルーム「Wellbeiong」はこちらをご覧ください。

死ー両親との別離
新開 晴美をフォローする
ゆるしいろ

コメント

タイトルとURLをコピーしました