父とのこと

死ー両親との別離

2014.03.18

父に末期癌の診断。
また始まるんだなー、という感じ。

ケアマネさんから連絡が入ったのは、
朝の11時ごろだったか。

今日は「おだやか家」への取材が入ってて、
ちょうどカズの撮影をしてる真っ最中だった。

「お父様の血圧が、上87下47に下がってます。
 救急で病院に行った方がいいでしょう。」

あぁ、いよいよきたかー。
そう感じた。

電話を切った後、部屋にごろんと横になって今の自分をよく感じたら、
なんと私は、ものすごく悲しんでた。

心してたことなのに、想いかげず、不覚にも悲しみに包まれて、
ほろほろと涙が溢れた。

あんなに忌み嫌った人なのに。
でも、彼を愛そうと決めたときからすべてが変容した。

それを体験して、愛ってこういうことか、って教えてくれた人。
愛とゆるしを学ぶために、父との関係があったんだろう、と今なら思える。

いつ死んでもいいって思ってたのに、現実味を帯びた瞬間、猛烈に悲しい。

そんな想いに動揺した私は、体を逆転にしてみた。
ハラアーサナ、鋤のポーズ。

呼吸が変化し心が落ち着いてきた。
はぁ、アーサナってすごい。

搬送先の病院が決まって、私はすぐに家を出た。

焦る気持ちが一瞬運転をラフにする。

はるーた、落ち着け。
そんなに急いだって、変わんないよ。

そういいながら大きく深呼吸して、気持ちを入れ替えながらのドライブ。

最近私は、ヴィパッサナー瞑想のCDを購入して運転中に聴いてるんだけど、

そのCDから流れてくる、アニッチャ、アニッチャ、すべては無常である、
という言葉が、今日の私には、特にダイレクトに入ってきた。

そう、すべては移り変わる。

途中、病院にいるケアマネさんから「お医者さまからお話しがあるそうです」
というメッセージを受け取った時の、体に湧き上がった感覚。

小さな気泡が全身をぶくぶくと飛び回っているような、ぞわっという感覚。

私は恐れを抱いてた。
何が待ち受けてるんだろう、と本当に怖くなった。

でも、その肉体感覚に心を留め、この感覚もフィーリングも、
現実もすべてがアニッチャ。

生まれては消えていく。

そう受け止め少し取り戻した落ち着きを感じながら、
病院にたどり着いたんだ。

そこには、狭い移動式のベッドで点滴を受けてる父がいた。
真っ赤な顔をして、細い手をだし、体を傾け寝ていた。

私が呼ぶと、少しだけ顔をあげて、あぁ晴美か、と弱い声でそう言った。

そこにいる父は、あの日の母と同じ気配だった。
もう長くないな、と直感でわかる。

「晴美、お母さんがはやく来い、来い、って呼ぶんだよ。
 早く逝きたいよ、みんなに迷惑かけずに、早く逝きたいよ」

そして、

「あぁ、晴美の顔、見たら、安心した、晴美に会えて、よかった」

なんていうんだよ。

あぁ、なんてことだろう。
あの父が、私にこんなことを言うなんて。

それから医者からの説明を受けた。

肝臓癌、末期。
転移、多数。

おそらく、あと2-3ヵ月。

いずれにせよ、大きな病院で診察を。
癌確定してもらってから今後の事を・・・。

緩和、ホスピス、在宅、往診、訪看、
お父様にあったものを選んでいくといいですね。

父は在宅を強く希望してるけど、現実問題、どこまで対応できるか。
難しいところ。

でも、できるだけ叶えてあげたいと思う。

明日の検査、そして今後の方針を決める。
病院は、2年前、母を看取った同じ病院。

記憶が蘇りそうで、正直、つらい。

母のことは、意外にまだまだ生々しいんだ。

でも、仕方ない。
私は、お父さんを見送る準備をはじめます。

Off the mat.

そこはいつでも未知なるものに溢れてる。
昨日の今頃、今この瞬間の私は、想像もできなかった。

でも、父が逝くのは自然なこと。
そして、また、いつか私が逝くのも自然なこと。

特別なことは何も起きていない。
ただ、今の私にとって、すべてが未知なることだというだけ。

愛と共に、すべてを観ていようと思う。
また、ヨガを生かす大きなテーマがおりてきた。

Om Shanti.

続く↓↓↓

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