母のこと、サポートしたい

死ー両親との別離

<2011-10-18>

まだまだ先だと思っていた日が、あっという間に近づいてきた。

明後日、母の開腹手術をした主治医のもとへ検査に行く。

「抗がん剤治療を1クールでやめるなんて、そんな患者さんいませんよ」
「今後の治療をやめるということですか?」
「これから何をするんですか?」
「言っておきますが、民間療法でガンはなおりませんよ」

という医師の言葉を聞いたのは7月下旬。

そんな言葉に対して、私は深く頭を下げて「すみません」って言った。
お医者さんとケンカしても意味がない、と思ったから。

帯津良一先生はじめ、統合医療の先生がたは、

西洋と東洋のどちらがいい、ではなく、
両者のよいところを”統合する”のが、これからの医療だ、という。

そういう意味でも、定期的な血液検査やレントゲン撮影は、
母のためにも必要だし、お腹を開いてくれた先生に対する敬意もある。

だから、気分を害したのは100も承知で、でも、関係性を絶たないように、
できるだけ穏便に、その場を後にしたんだ。

この3ヶ月、母は、枇杷葉温灸をメインに療養している。

白内障の手術がはいり、その間、風邪をこじらせたりして、
低空飛行な状態が続いているものの、

母のQOL(Quality of Life)は、いいところに留まっていると思う。

四ツ谷にある統合医療クリニックに、電車を乗り継ぎながら、
足を運べるようになったこと。

先日は、孫の運動会にも行けた。
お昼のお弁当の時間は、兄夫婦も驚くほどの食欲。

「お母さん、よく食べるねーって言われちゃった」って。

そして、おとといは、高校時代の親友たちとお昼を食べる、といって
新宿まで出かけていった。

女子会の力はすごい!
楽しかったー、と電話の声が弾んでた。

外出に関して、お母さんはこんなふうに言う。

出かけた翌日は、動けないくらいかったるいけど、
でも、疲れるから、不安だからといって、家にいてもつまらない。
これが最後のチャンスかもしれないから、私、出て行くことにする、と。

最後かもしれない、とサラリというお母さんの言葉に、
私は、かるく動揺する。

でもそれは、私の中、奥のほうの、ある部分だけ。
表面は、笑顔を保てる。

そうね、最後かもしれないし、
また来年も、再来年もいけるかもしれない。
それはわからんもんね。
いいじゃない、楽しいのが一番、出かけておいでよ。

死ぬ覚悟ができた、という母。
そんな覚悟ができたなら、その力で、今を生きよう。

そんな話もする。

一度「サイモントン療法」という、ガン患者、そしてその家族をも
ケアする心理学のカウンセラーと話しをしたことがある。

そのとき、こんなことを言われた。

私たちは、死亡率100%の存在なんです。

だからまず、ご家族が、お母さんが死ぬ、ということを、
リラックスして受け入れてください。

死は、誰にとっても未知なる体験、

暗闇に葬り去られるでもなく、すべてが無になるでもなく、
大いなる源への旅立ちのときだと受け入れることで、

卒業生を送り出すような心で、それを迎えてください、と。

この、エッジでのあり方、未知なる物との向き合い方。

私がクリパルヨガを通して学び体験してきたすべて、そのもの。

死という現象は、命の自然なプロセス、その通過点でしかない、と
認識したことで、母と私の間に、死に関して話しをするタブーが消えた。

それは、母から、死への恐れを払拭したようだ。

恐れから目をそらさず、それをあえてオープンに、
風通しよくすることは本当に重要。

薄暗い道のロープが蛇に見えるように、
私たちのマインドは、はっきりしないものへ恐怖を感じる。

そこが、真っ暗ならば、ロープさえ見えずに恐怖も生まれない。
でも、薄暗いから問題が生じるんだ。

ガン=死、
よくわからないけど、みんなが、死んでる。

その漠然とした不安が、恐れを増幅させる。

だから、私たちは、蛇に光を当てた。
それはロープだと、認識できるように。

とはいえ、また薄暗くなるときもある。

私も怖い。

朝、コロっと出る痰にちょっと血が混じってる、なんて聞いたときは、
ガクーーンって落っこちたよ。

でもね、いまお世話になっている先生がたが、
その程度は問題ない、血痰とは言わない、炎症部分の排出だ、と
言ってくれたことで、私も気を取り直した。

私は相変わらず、野菜や甘酒をもってお母さんのもとへ。
料理をし、一緒に食べ、笑って雑談。

なんてことない時間を過ごすことの、大切さを味わってる。

こんな高いQOLはないと思ってる。

明後日の検査結果。
私のイメージは、もちろん快方。

でもね、万が一の場合、その数字に心が動揺しないように。

私が共感した免疫学の安保先生によると、
腫瘍マーカーの数字ではなく、血中の白血球の数値が重要だ、
ということ。

医者は、腫瘍の影やその数字で、進行してる、と断定するかもしれない。
でも、私は、私が信じる方法で、今のお母さんの状態を判断したい。

その結果をもって、今度は、町田にあるガン療養を得意とする、
漢方薬局を尋ねてみようと思ってる。

いま、1日に大量に処方されてる、粉の漢方やタブレットが、
喉を通りづらいという。

やっぱり煎じて飲むのがいいと思うんだよね。
いろんな可能性に開いていたい。

そして、一番大切なのは、私がしてあげたいことじゃなく、
お母さんがしたい、と思うことを実現させること。

サポートってそういうことなんじゃないかと、最近、つくづく思う。

Om Shanti.

続く↓↓↓

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