赤酒

死ー両親との別離

<2012-03-15>

スタジオに現れた彼は、「はるさん久しぶり!」とにっこり笑って、
カバンの中からひょいと赤い箱を出してきた。

「お母さんにあげて」って。

「赤酒」
この文字をみたとき、私泣いちゃいました。

お母さんと過ごした最後のお正月。
お母さんは、ベットの上で私が作った雑煮の味見をして
「酒、酒がたりんね」って教えてくれたんだ。

熊本で古くから使われてる「赤酒」。

同じ熊本出身の彼はそれを覚えていてくれて、
こんな暖かい心配りをくれた。

赤酒というのは、日本古来の灰持酒(あくもちざけ)の伝統を受け継ぐ、
熊本特産の甘いお酒。

その名の通り、かなり赤い、です。

熊本では、屠蘇や儀式用のお酒として古くから愛飲されてるよう。
歴史的には、江戸時代に細川藩の「お国酒」になっていたとのこと。

醸造工程で、木灰(キバイ)を加えて酸性を中和し、
弱アルカリ性のお酒になるみたい。

そのため、料理に使うと素材の身を締めることなく、
ふっくらと柔らかく仕上がるという。

いただいた日はまずお母さんの祭壇にかかげ、
それからお料理に使ってみた。

塩麹と赤酒で一味違ったひじきの煮物が完成。

Nさんの心配りに、思いやりに・・・。
本当にありがとう。

とても嬉しかった。
そしてお母さんも、とても喜んでた。

こうしてまた私の心は癒えていくんだ。
どうもありがとう。

Om Shatni.

続く↓↓↓

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