母と腕を組む

死ー両親との別離

<2011-11-15>

このところ、体調がすぐれない母を連れ出し、
信頼できそうな漢方薬局を訪ねてみた。

最近の母、
こじれた風邪はなかなか治らず、食欲も落ち息切れがし、
どうも調子が悪い。

白内障の手術も、片目を終えたところで風邪を引き、
そのまま延期延期で、ついに検査当日にキャンセルしたという。

手術の前後にある検査や服薬に、心と体がついていかなかったみたい。

キャンセルしてほっとした、と何度もいう母、
きっと、私が思う以上に、ストレスを感じてたんだろうね。

そして、最近は食欲が落ちたのが堪えたのか、
体重も落ちて、体力低下、歩くのも覚束ない。

とはいえ、家にこもってても気が滅入る。
気分転換に出かけることした。

自宅からバス停まで、私の足で5、6分。
そこを15分ほどかけてゆっくりと歩く。

私が手を差し出すものの、なんとなく遠慮があるのか、
テレもあるのか、手をかけてこない。

仕方なく、私が母の肘をもつ。

そして、バスに乗り駅へ。
そこからホームまでも、かなり長い道のり。

そして、ようやくホームへ。
電車を待つとき、ずいぶんと疲れた様子。

お母さん、どうすれば一番ラク?
と尋ねたら、私の袖をチョンと掴んだ。

だから、肘を持ったらどう?と声をかけてみた。

そして、母はようやく、私の肘に手をかけてくれた。

それから、私たちは、ずっと腕を組んで歩いた。

母と腕を組むなんて、生まれて初めてだ。

細い手が私の肘を掴み、私は脇をしめしっかりとホールドし、
母の歩調に合わせながら、ゆっくりゆっくり、歩いていく。

小さな身体で苦労ばかりしてきた母。

心を閉ざすことで自分を防御し生きてきた彼女は、甘えたり、
弱音を吐いたり、人の手に頼ることがすごく苦手なんだろう。

きっとどう頼っていいのか、どう甘えていいのかが、
わからないんだろうと思う。

漢方薬局では穏やかな先生が誠意を持って対応してくれたから、
母も安心した様子。

まずはこじれた風邪を治しましょう、と、2種類の漢方と、
発芽ハトムギ茶を勧めてくれた。
その後は、免疫を高め血液を強くするものを取り入れていく予定。

今日は、母に手袋をプレゼントした。
私とおそろいの、ピンクのざっくり編みのもの。
私がつけてるのを見て、かわいー、と気に入ってたから。

IMG_4652.jpg

お母さんと腕を組んで歩く。
私にとっては、とても心が温まった経験。
ようやく、母と娘、になれてる気がする。

Om Shanti.

続く↓↓↓

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